2010年 08月 27日
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おばあさんねこの軋んだ鳴き声が遠くから聞こえる夜
真っ黒マントがゆっくりと空を横切っていった
生暖かい風が木々を不穏に揺らして
その下でいくつかの生命が蠢いているようだった
たまらず声をあげようとしてみても
喉は乾いた音出すばかり
だから土に落ちたフラフープを
腰まであげて回してみたのだ
何十何百何千回と
と
と
と
そのずっと後に朝が来て
わたしはフラフープごと光に溶けてゆくことを望んだ
やってきた朝は不完全で
すべてを起こす前に先へ先へと急いでいる
溶かしてお願いそして流して
そうして
その速度で西へゆくのなら
シベリアあたりでもう一度固めて
声は喉で音を得て
空気に混ざろうとしていた
そうそれがしたい
わたしもそれがいい
そうずっと願っている
ゼラチンシンドローム
by buntesleben
| 2010-08-27 23:30